技術立国日本が世界に誇る産業分野はいくつもありますが、自動車や航空機、ロボットなど多くの業界において、機械工学と電気電子工学の両方に通じた技術者が求められています。物理工学科のカリキュラムには量子力学、物性物理学などの物理学科目とともに、機械設計、材料力学などの機械工学科目、電気回路、電子回路などの電気電子工学科目がバランスよく組み込まれていますので、機械工学、電気電子工学両方の専門性を身に付ける事ができます。
量子工学講座
量子論の基本問題とナノサイエンスへの応用に関係する諸問題や凝縮物体の諸性質の理論的研究を行っています。
ナノ工学講座
世界に先駆けたマテリアルデザイン計算法の開発、センシング技術、通信技術、各種磁性材料、ナノマイクロ計測加工などの研究を行っています。
教員からのメッセージ
"もっと電磁波を! -光や電波の応用技術-"
(物理)工学の主要な役目は、物理的な現象に対して、工夫を凝らすことによってそれを我々の生活に役立つように活用する方法を見つけることかと思われます。その際に利用される現象の代表的なものの一つは、電波や光といった電磁波に関するものでしょう。現代の情報社会におけるその重要性は、携帯電話の普及や、光ファイバ通信線路が家庭内まで入り込んでいる現状からも明らかです。しかも、電磁波の用途は単に通信分野に限らず、計測など他の分野でもつぎからつぎへといろんなアイデアが提案されています。一方で、アンテナでもないのに電子装置から不要な電波が出たり、携帯電話の電波で装置が誤動作したりするという負の側面も有する電磁波です。EMC(電磁両立性)と呼ばれる問題で、技術者を苦しめます。こうした、付き合っていると楽しくもあり、悩ましくもある電磁波をもっともっと様々な方面に有効活用する研究を皆さんとともに行いたいと思っています。
物理工学科・教授 竹尾 隆