パソコン・携帯電話・自動車・航空機,私たちの身の回りには様々な機械があり,便利で豊かな暮らしを支えています。機械工学科は,産業・生活・科学の発展に必要な機械を創造するための学問。その守備範囲は非常に広く,最近では知能ロボットの開発や,地球環境問題への機械工学からのアプローチなどが注目されています。本学科では,広範な知識や技術を基礎から教授し,数々の実体験を経て,人間・環境・機械の調和的発展に貢献しうる創造性豊かな人材の育成を目指しています。
量子・電子機械講座
量子応用工学
量子応用工学は,量子力学の成果を機械工学に取り込むべく,制御やロボットといったシステム系の研究から,力学物性や薄膜生成,結晶成長,非破壊検査といった材料物性の分野に至るまで,機械工学全般に関して新しい学問の構築を目指しています。(パルスドDCプラズマ装置)
メカトロニクス
人間と機械の共生を実現するロボット制御技術を開発し,社会に貢献できる知能ロボットを創出することを目指しています。特に,生命・医療・福祉の分野における支援ロボットや精密加工を実現するものづくり支援ロボットの開発に力を入れています。
システム設計
人間の特性を理解して,人それぞれにあった機器の設計や制御手法の開発を行っています。その例として,工場内で重量物を運ぶ産業用パワーアシスト装置や,自律走行を行うロボットビーグルなどがあります。
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生体システム工学
材料の変形と力の関係(材料力学)を研究しています。力で形が変わることは,安全で新しい機械を作るための基礎となる現象です。また,医療分野からも人体や臓器の運動を扱える研究として期待されています。
機能加工講座
材料機能設計
あらゆる機械製造において用いられる接合・切断について研究を行っています。急速加熱・冷却が可能な高周波誘導加熱装置,高エネルギー密度の1kW,2kWCO2レーザ,自動車ボディー組立に使用されている抵抗溶接機などを使って実験をしています。
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集積加工システム
環境に優しい材料の高機能加工システムの開発を塑性加工と切削加工を中心に行っています。写真の実験装置は,鋼板に直接電流を流し,1~2秒の短時間で900度に加熱し,プレス成形,金型による急冷で焼入れを行い,超高張力(1.5GPa級)の成形品を加工します。
プロセス解析
センシング・パターン認識,気の利いたヒューマンインタフェース,人の機能代行支援機器など,知的システムの研究を行っています。写真は,ゴーグル式立体ディスプレイと動作計測スーツを装着している様子を示しています。
エネルギー環境工学
空気や水をはじめとする様々な物質の流れを取り扱い,環境に配慮した風力発電・マイクロ水力発電・木質バイオマスガス化発電などの再生可能エネルギーに関連する流体機械の研究や開発を行っています。
エネルギーシステム設計
写真に示したのは,地球温暖化の主因とされるCO2から燃料種(CO,CH4など)の生成を目的とする光触媒CO2改質実験装置です。本研究が進展すれば,地球温暖化の解決につながる炭素循環系が構築できると考えています。
流動現象学
環境・エネルギー機器の性能向上のため,関連する複雑流動現象(乱流・混相流・相変化・流体-構造連成)に対する現象解析ならびに計算手法・流動制御方法の開発を行っています。