電気電子工学とは,電気のエネルギーとしての利用と,情報の伝達手段としての利用を考える学問です。具体的には,効率的なエネルギーの発生・輸送・変換,高度な通信・情報処理,それらを支える半導体・超伝導体などの素子材料と多岐にわたります。あらゆる知的活動の基盤となる学問なのです。本学科では,情報化・国際化時代に対応できるコミュニケーション能力や,ITに関連した高い技術の習得も可能。すべての産業に関わる実学を身に付け、社会へ還元できる人材育成を目指しています。
電気システム工学講座
電機システム
制御理論,パワーエレクトロニクスやアクチュエータ技術を駆使し,高性能なモーション制御法や次世代ロボット実現のための研究開発を行っています。写真は,ロボットハンドが物をつかみ操作する際の指の使い方(小さい力で安定につかみ,かつ操作しやすい指の配置決定)に関する研究成果を実証する装置です。
制御システム
電気自動車,自然エネルギー利用発電の基盤技術である電力変換・モータ制御技術などへの最新制御理論の応用に関する研究開発を行っています。写真は,可変電圧・可変周波数の交流電源から固定電圧・固定周波数の出力が得られる周波数変換装置(マトリックスコンバータ)の実証試験回路です。
エネルギーシステム
エネルギ−システム研究分野では,風車(写真)や太陽電池など自然エネルギ−を利用した発電システムの高出力・高効率化や,発電した電力を系統に安定して供給する電力変換装置の開発により,地球温暖化防止,CO2の削減に寄与すべく研究を行っています。
電子物性工学講座
オプトエレクトロニクス
省エネルギー・耐環境・高速処理・高効率発光を可能とする次世代の高機能半導体デバイスを目指して,最先端材料である窒化物半導体に焦点を当て,その結晶成長・物性評価・デバイス応用に関する研究を行っています。また,光制御技術やLED照明応用に関する研究も行っています。
電子材料工学
高性能なフレキシブルディスプレー・太陽電池や、新しい電気・磁気機能を持った素子を開発する目的で、酸化物薄膜の作成と物性を研究しています。また、プラズマ照射によるプラスチックフィルムの異種接合について研究し、電気自動車モーターや太陽電池パネルへの実用化を目指しています。
有機エレクトロニクス
発電機や電気自動車などには必要な機能に応じていろいろなプラスチック材料が用いられています。有機エレクトロニクス研究室では,高温や高い電圧に耐える材料,電流を流さないが熱を伝える材料や振動に耐える材料などの開発を行っています。
量子エレクトロニクス
ナノ領域での高分解能局所分析,超微細加工技術にプローブとして供する高輝度荷電粒子(電子・イオン)線源の開発と,これに関連する物理現象の研究を行っています。また,カーボンナノチューブなどのナノカーボン材料の精密生成とその電子デバイス応用に関する研究を行っています。
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高周波フォトニクス
無線・アンテナに代表される「高周波技術」と、光ファイバー通信を支える「フォトニクス技術」を融合させて、次世代(5G)無線通信やIoT(Internet of Things)ネットワーク、次世代ディスプレイ・照明のためのデバイスやシステム技術を追究しています。また、これらの技術を応用した新しいインフラの非破壊診断技術の開発も進めています。
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情報・通信システム工学講座
情報処理
コンピュータによる情報メディアの理解と利用に関する研究を行っています。具体的には,次世代eラーニングシステム,医療・福祉情報システム,電子カルテシステムなどを対象として,画像理解,文書理解,会話理解に関する研究を行っています。
通信工学
無線LANや衛星通信システムで利用される変復調技術,携帯電話システムの性能を向上するための制御方式,高度交通システムやマルチポップネットワ−クを実現するための様々なネットワ−クプロトコルなど,無線通信技術の高度化を目指して幅広い研究を行っています。
計算機工学
計算機ネットワークをはじめとする情報ネットワークのシステム構成技術と,プログラミング演習やソフトウェア・ハードウェア設計演習を支援する学習教育システムなど,ICT(情報通信技術)の基盤技術とそれらを駆使した各種システムの研究開発を行っています。