テレビなどの家電製品のみならず、携帯電話、自動車、さらには進展が著しいロボット技術やディスプレイ技術は、エレクトロニクスによって支えられています。また、太陽電池などの環境技術、ナノテクなどの最先端科学も電気電子工学の技術者が活躍する分野です。電気電子工学科では、広く社会から求められているエレクトロニクス分野で活躍する技術者を育てます。
電気システム工学講座
介護やリハビリ支援までもこなせる自律性の高いロボットや、温度・負荷などの環境変化への適応能力をも備えた自動制御システム・機器への需要がますます高まっています。また、電子材料をナノレベルで分析する高度な技術も求められています。電気システム工学講座では、自律ロボット、自然エネルギー利用発電、電子ビーム応用などの研究・開発によりこれら課題に取り組んでいます。
情報・通信システム工学講座
情報をデジタル化し処理する技術は様々な分野で応用され、人々の生活環境向上に大きく貢献しています。また、高度に洗練された情報通信端末が広く浸透し、だれもが、どこででも、地球の裏側の相手とでも瞬時に情報をやり取りできる時代が到来しています。情報・通信システム工学講座では、情報処理技術の医学・教育分野への応用、次世代通信方式の研究・開発に取り組んでいます。
電子物性工学講座
あらゆる電子機器の中には、半導体・誘電体・磁性体・超伝導体などの電子材料が様々なかたちで使われています。それら電子材料の機能を最大限に発現させる上で、基礎物性に関する深い知見や、素子作製プロセスの確立は欠かすことができません。電子物性工学講座では、エレクトロニクスを支える電子材料を広範に扱った研究・開発に取り組んでいます。
教員からのメッセージ
電波資源の有効利用を目指して
~電気電子工学専攻・電気電子工学科における教育研究の一例~
携帯電話など無線通信において情報の運び屋となる電波は、人類共有の貴重な財産です。国際的に新しい電波資源の開発が行われていますが、無線通信で利用可能な周波数帯域を拡大することは、技術的にも政治的にも大変厳しい状況です。それゆえ、昨今の携帯電話等をはじめとする無線通信の急速な利用拡大に対応するためには、現在使用可能な電波資源をいかに効率良く利用するかがとても重要な課題となっています。貴重で限りある電波資源の高効率利用を目指して、無線通信における信号伝送技術やネットワーク化技術等の高度化の研究を進めています。かけがえのない電波資源の有効利用を実現し、ひとりでも多くの人の発信する情報を、その相手方にスムーズに伝えることできるシステム作りに貢献できるよう研究活動を続けています。
電気電子工学専攻では、このような通信・情報処理分野をはじめとして、制御理論、パワーエレクトロニクス、自然エネルギー利用分野や、これらを支える半導体などの電子材料分野の幅広い教育研究を推進しており、安全で豊かな社会の実現に貢献することを志しています。
電気電子工学科・教授 森 香津夫